田中 亨さん

済生会八幡総合病院
視能訓練士

Toru Tanaka

田中 亨さん(28)


福岡県立博多青松高等学校卒。2003年4月に視機能療法学科入学。2006年に国家資格を取得し企業の附属病院を経て、2011年から済生会八幡総合病院の初代視能訓練士として勤務。福岡県小郡市出身。

新しい職場で初代視能訓練士として立ち上げにチャレンジ
眼底写真を撮影―視能訓練士を目指したきっかけは
田中 まず国家資格のある医療職であれば、自分が選んだ地域で仕事ができるし、ワーク・ライフ・バランスをコントロールできるのではと考えました。そこで資格を調べ、視能訓練士を目指しました。この仕事は検査機器を使いますが、機器を使って肉眼では見ることができないものを見られるということにも興味を持ちました。
―大学への進学については
田中 特に考えませんでした。私たちは「不景気だ、不景気だ」と言われながら育った世代ですので、大学進学後に将来のことを考えるよりも国家資格をと思っていました。
―それで福岡国際医療福祉学院に進んだわけですね。学院を選んだ理由は何ですか
田中 学院が当時、福岡市・天神にあり、学びの環境が都心ということに心ひかれたのと、福岡県内で視能訓練士を養成する唯一の学校であり、学院の規模が大きく、就職に際してもいい方向に働くのではと考えて選びました。
―学院で勉強して魅力を感じたのはどんな点ですか
田中 検査機器の種類が豊富で充実し、実習も臨床現場の実践に近い形で学ぶことができました。他学科(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)の学生と一緒の授業があり、医療福祉全体を学ぶことができたことも魅力の一つです。病院で働くということをイメージしやすかったと思います。
 学院時代のノートは今なお見直しています。ノートは視能訓練士として検査をしていく上での支え。国家試験の合格後にも活用し、実際に臨床現場に出た時に困らないよう教科書以外のことも多く教えていただきました。学院では一生で一番勉強したと思います。
田中 亨さん―国家試験に向けてはどんな勉強をしましたか
田中 それまでに学院で受けたテストはもちろん、過去の国家試験問題にも完璧に答えられるように、何人かの仲間と一緒に勉強しました。自分1人だけでは厳しかったと思います。
―ところで、今の病院に決めた理由は何ですか
田中 最初の職場は企業立病院でした。そこに勤務中、済生会八幡総合病院が初代の視能訓練士を募集していることを知ったのです。責任は大きいけれども、一から自分の仕事を創り上げることができるのではと考え、企業立病院に不満は全くありませんでしたが、思い切って転職しました。病院のカラーは違いますが、同じ総合病院なので違和感は全くありませんでした。
―目指していた「自分の仕事」の手応えはいかがですか
田中 ここに入った当初は検査機器がすべてそろっていたわけではありませんでした。整うまでに1年ほどかかりましたが、今検査は順調です。患者さんの話を伺いながら必要な検査項目を組み立てていますが、ここに至るまでに5年ぐらいかかりました。眼科医にはできるだけデータをそろえて渡すようにしています。眼科医に意見を求められるなど頼られるとうれしいです。
―視能訓練士として心がけていることは何ですか
田中 眼科を受診される方は目に何かしら不安を抱いている方なので、それぞれの不安がなくなるようにと願いながら、日々正確な検査を心がけています。
―仕事のやりがいを教えてください
田中 当院では、今年度より多焦点眼内レンズを用いた白内障の手術を始めました。単焦点レンズは遠くか、近くでしかピントが合わず、手術後は眼鏡が必要でしたが、多焦点眼内レンズは遠くも近くもピントが合いますので眼鏡が不要になり、QOL(生活の質)も向上します。
 私の仕事は手術前、検査し、患者さんに合ったレンズ度数を決めることですが、度数がずれると遠くも近くも見えなくなります。視能訓練士に求められるものも非常に大きいといえます。それだけに手術で多焦点眼内レンズを入れた患者さんが術後「遠くも近くもよく見えるようになったよ」と言われると、本当によかったと思います。やりがいを感じる瞬間ですね。患者さんの要求に応えられるよう、いっそう知識を増やし、技術を磨いていきたいです。
―自分を高めるために何をしますか
田中 この病院は、私が入職した時に「学術推進部」という部門ができ、学会への参加など学術に関しては積極的に支援してくれています。今後は勉強会、学会に積極的に参加し、「認定視能訓練士」の取得をと考えています。
実習生への指導も大切な業務―今学院の後輩を実習生として受け入れておられますね
田中 実習生を受け入れ、指導することを通じて自分を高めることができればと思い、今年から指導を引き受けました。今年は計2人を別々に受け入れ、実習期間は1人、だいたい1か月ぐらいです。検査機器の扱い方、正確な検査結果を得るためのノウハウなど、後輩が国家試験に合格して臨床現場に立った時、ここでの実習が役立ってくれればいいと思います。そして、実習生には「視能訓練士という仕事は楽しいよ」ということを少しでも感じてもらえたら、とも思っています。
―視能訓練士を目指そうとしている人たちへのアドバイスがあれば。また、どんな資質の人に向いている職業と考えますか
田中 そうですね。やはり人とかかわるのが好きな人にはいい仕事だと思います。
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