佐々木 信さん

医療法人社団 青木眼科
視能訓練士

Makoto Sasaki

佐々木 信さん(41)


近畿大学九州工学部(現・産業理工学部)経営工学科卒。サッシメーカーに勤務後、2001年4月に第一期生として視機能療法学科入学。2004年に国家資格を取得し、2006年から山口県下関市の同眼科に勤務。福岡市博多区出身。

大学院へ進学し、博士課程で弱視の治療法を研究中
患眼位測定検査―視能訓練士を目指したきっかけを教えてください
佐々木 大学卒業後、サッシメーカーに勤務、サッシの製造や施工管理、設計をしていました。しかし、もともと医療技術職に関心があり、兄が臨床工学技士をしていることもあって、また転職するなら35歳までにという考えから、30歳で一大決心しました。専門学校で学ぶ期間を考慮した上での決断でした。
 学生のころから眼鏡やコンタクトレンズを使っていて眼の機能に大変興味がありました。そこで視能訓練士を目指し、福岡国際医療福祉学院の第一期生として入学したのです。最年長の学生でした。
―学院の優れた点は何だと思いますか
佐々木 エキスパートの視能訓練士の講義が受けられたこと、学科の仲間がとてもよくまとまっていて互いに高め合えたこと、臨床実習先が充実していて実践的な経験を積めたことなどです。
 この学院で学ぶことができた一番の魅力は、一期生だったことです。授業や実習を通して教員と学生が協調し「私たちがこれからの学院をつくりあげていくんだ」という自負がありました。
―勉強とプライベートとの両立は難しくなかったですか
佐々木 視能訓練士への道を進もうと決意した時、勉強が厳しいことは覚悟していました。それより3年間の学費など経済的な不安の方が大きかったのですが、奨学金やアルバイトで何とか解決することができました。
 アルバイトに時間を割かなければならないので、授業内容は授業時間内に理解するよう努め、どうしても理解できない時は先生に質問したり、学生同士で授業の復習をしたりしました。ちなみに3年間、無遅刻、無欠席でした。
―仕事のやりがいは
佐々木 患者さんのニーズに応えることができた時、すごくやりがいを感じることができます。しかし、患者さんの訴えを聞き、問題を解決していくには経験も必要で、まだまだ勉強していかなければと思っています。
佐々木 信さん―自分をさらに飛躍させるための目標、取り組んでいることは何ですか
佐々木 就職後、社会人大学院生として北九州市立大学大学院修士課程で視覚心理学の手法を用いて視機能の研究をし、修士(人間関係学)の学位を取得しました。また大学評価学位授与機構で学士(保健衛生学)の学位も取得しました。現在は産業医科大学大学院博士課程に在学、弱視の治療法を研究しています。弱視の治療に遮閉法という方法があります。視力の良い方の眼を隠すことにより弱視の眼の視力を発達させる方法ですが、今のこの治療法は、場合によって幼い患者さんに負担をかけることがあります。そこで負担をかけることなく治療効率を向上させ、しかも治療期間を短くできる新しい遮閉法を研究しています。
―専門学校で学ぶ魅力は何だと思いますか
佐々木 質の高い技術を身に付けて、より早く臨床現場で働くことができること。3年制の専門学校卒であっても大学院へ進学する道が開かれていて、就職後の学びの場があることなどです。
―現在、大学院博士課程に在学中です。研究成果次第では、福岡国際医療福祉学院出身の視能訓練士では初めてとなる博士号も取得できます
佐々木 「博士」は私のゴールではありません。私の目標は、もっといい弱視の治療ができるように、その方法を考えていくことです。「博士」は、そのための一つの手段でしかありません。私の道は目標までの半ば以下、まだまだ途中です。「認定視能訓練士」や「専門視能訓練士」の取得を目指すのも、その手段です。
―佐々木さんは臨床現場をとても大事にしながら、自分の課題を解決するために前向きに勉強、研究を続けておられますね
佐々木 研究テーマとやる気さえあれば誰にでも可能なことだと考えます。現場には改善すべきことがたくさんあります。その中で自分にふさわしい課題が見つかれば、それに向かって自分のペースで取り組むことです。何でもいいので、できることからずっと続けていくことがとても重要です。日々の検査をそつなくこなせるようになると、どうしても昨日の繰り返しみたいになってしまいがちです。そういうマンネリ化の波に飲み込まれないためにも、課題を見つけて、新しいことに挑み続けることはとても大事なことだと思います。
声をかけながら手際よく検査を行う―視機能検査全体についてのご意見があれば聞かせてください
佐々木 単純に比較はできないのかもしれませんが、サッシの設計も含めて建築業界ではある程度標準化されています。しかし、視機能の検査・視能訓練の方法や考え方は施設によって違います。そこで、視機能の検査・視能訓練の方法が大まかにでも標準化できればいいのかなと思っています。そうすれば、ある施設での研究成果が他施設でも広く使えますし、患者さんのためにもなると思います。
―思い切って転職し、視能訓練士として歩む道を自分ではどうみていますか
佐々木 転職し、視能訓練士となったことは十分満足です。作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士、それぞれの立場で、患者さんのために貢献し、何かをするという方向性は同じです。目指しているものも一緒です。
―視能訓練士を目指す人たちへのメッセージがあれば
佐々木 視能訓練士は女性が9割で、男性は圧倒的に少ないので、ぜひ男性に目指してほしいです。「人間が好きな人」「生涯勉強する覚悟がある人」「プラス志向の人」であれば向いています。一度社会人を経験している方でも、その人生経験を十分に生かすことができる仕事と思いますので、視能訓練士の仕事に少しでも興味のある方はぜひ目指してほしいです。やる気と一歩を踏み出す勇気があれば大丈夫です。
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