山口 耕平さん

医療法人社団 誠和会
牟田病院 医療技術部 リハビリテーション課

Kouhei Yamaguchi

山口 耕平さん(26)


佐賀県立神埼高校卒。
2006年4月専門学校柳川リハビリテーション学院言語聴覚学科入学。2009年3月卒業。同年4月に福岡県内の別の病院を経て、2012年から牟田病院勤務。佐賀県神埼市出身。

人として成長し、「あなたに出会えてよかった」と思っていただけるように
患者さんのQOLが向上していくように援助する―言語聴覚士(ST)を目指した動機は何でしょうか。
山口 幼いころから看護師の母を見ていたので、何か困っている人の役に立ちたいという思いが強く、医療系に進みたいと考えていました。もともと話すのが好きで、話せない、思いを伝えられないことがいかに大変なことかは想像できていました。だから母から言語聴覚士の存在とその仕事内容を教えられ、高3のとき、STになろうと決めました。
―柳川リハビリテーション学院を選んだ理由は。
山口 自宅から近く、授業料が他校より安かったこと、九州で初めてのリハビリ専門学校で歴史があり、それだけ卒業生が多いので、実習や就職の際に有利になると思ったこと、オープンキャンパスに参加し先生や先輩の人間性、学校全体の温かさなどに触れ、自分に合っていると感じたことなどです。
―実際に入学してみてどうでしたか。
山口 同級生は互いに仲がよくて、国家試験前は自分だけの勉強というより、みんなで合格するんだという気持ちがすごく強く、不合格になった友人が翌年挑戦するときも応援に行きました。
―学院の授業や実習でどんなところに魅力を感じましたか。
山口 学院内の教員だけではなく、さまざまな外部講師が来られており、そういった方々の専門知識や臨床での生の声、考え方に触れることで、自分の将来像をつくっていけたように感じます。卒業生が多く、どの病院に実習に行っても「同じ学校」ということで話しかけ、仲良くしてくださったことが印象に残っています。
山口 耕平さん―専門学校で学ぶ魅力は何だと思いますか。
山口 大学のことは詳しくは分かりませんが、柳川リハビリテーション学院で3年間という短い期間ではありましたが、必死に勉強したこと、同じ道を同じ夢を持って、励まし合いながら過ごした仲間とは今でも仲がよく、とてもいい思い出になっていますし、これからの糧になると思います。
―卒業後、福岡県内の別の病院に入職され、牟田病院に移られました。移られた理由は何ですか。
山口 前の病院では、脳出血や脳梗塞など急性期の患者さんをたくさんみて、多くの文献を読んで勉強させていただきました。ただ回復期から維持期の人たちをみることができませんでしたので、介護施設などを利用されるような人をみたいという私の希望で移りました。じっくりとリハビリに取り組んでみたいと、以前から思っていましたので。
―急性期の患者さんにSTはどんなリハビリをするのですか。
山口 STに限りませんが、一番大事なのはリスク管理だと思います。抽象的な言い方になりますが、急性期の段階から、嚥下(食事などの飲み込み)にしても言語にしても、患者さんの自然治癒力を促し、高めることができるようなアプローチがどれだけできるかによって、回復度合いが違うと思っていますので、障害に応じたアプローチをします。緊急搬送された患者さんには脳画像、検査所見と一致させたリハビリを提供していきます。
 「なぜ自分は病院にいるのか」「箸を持つといったようなことがなぜ今できないのか」あるいは、「なぜ暴言を吐いてしまうのか」。これまで何不自由なくごく当たり前にしていたことができなくなったり、自分の状況が分からない患者さんとご家族とをつなぎ、あるいは、なぜそういう症状が出るのかを双方に説明し、家族の関係性を取り戻してさしあげるのも大事な役割ですね。
―いまはどんな方のリハビリを行っていますか。
山口 主として回復期から維持期の方へのリハビリと、家庭に帰られている方の訪問リハビリですね。この病院に移ってきた第一の理由が、実はこの訪問リハビリがあったからなのです。
―リハビリで心がけていることは何ですか。
山口 日付などが分からなくなる記憶障害に対しては、患者さんが誤らないように気をつけています。カレンダーがあれば正解できそうだなという場合は、前もってカレンダーを置いてから尋ねています。認知症の人にもできることはたくさんありますので、できることをやってもらい、「あっ、これもできますね」と。それでにこっとしてもらえて、患者さんに笑顔が出ればいいなぁと思ってやっています。
リスク管理が一番大事―障がいのある人に対し、どんな思いでリハビリをしていますか。
山口 「人として接する」ことがすべてだと思います。患者さんがそれまで生きて培ってこられたことへの尊敬や、障がいを負ってしまわれたことへの気持ちを少しでも受け入れ、うまく付き合うことにより、患者さんのQOL(生活の質)が向上していくように援助する、そう思って日々、リハビリに取り組んでいます。
―さらに自分をステップアップさせるためにどんな目標を持っていますか。また何をしようと考えていますか。
山口 学会で発表したり、認定言語聴覚士の資格を取ることも大切だと思っています。それに加え、患者さんとSTは「人と人」の関係ですので、志を持って、人として成長していくことが必要だと思っています。「あなたに出会えてよかった」。患者さんやご家族、あるいはスタッフの方々からそう思われる数が増えるように日々努力しています。
―これからSTを目指す人たちへのアドバイスがあれば。
山口 みんな、すごく努力し頑張っていると思いますが、今重ねている努力がどこにつながっているのかを考えるべきだと思います。なぜ自分はこんなに頑張っているんだろうと疑問に思った瞬間、頑張りも止まってしまうと思います。自分の目標・ゴールが設定できるのであれば、それにつながる行動をすればいい。10年後にこういうSTになりたいと思ったら、5年後にはこうなっておきたい、1年後にはこうと自分の進んでいる方向を意識することが大事だと思います。
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