武藤 菜美さん

医療法人社団 高邦会
柳川リハビリテーション病院 リハビリテーション科

Nami Muto

武藤 菜美さん(26)


2005年3月福岡県立伝習館高校卒。
同年4月専門学校柳川リハビリテーション学院言語聴覚学科入学。
2008年3月卒業。同年4月柳川リハビリテーション病院に入職。
福岡県柳川市出身。

お互いの気持ちがつながったと思える瞬間が、本当にうれしい
患者さんにリラックスしてもらえるリハビリを―言語聴覚士(ST)を目指した動機は何でしょうか。
武藤 手に職をと考えていたとき、たまたま新聞で、失語症の方の投書を読みました。「介護をしてくださる周りの人に『ありがとう』と言えないのが何よりつらい」といった内容で、おそらくリハビリを受ける過程で言語聴覚士に訴えられ、それが投書になったのだろうと思います。リハビリに興味を覚えていた時期で、このとき初めて言語聴覚士という仕事を知り、関心を持ったのがきっかけです。調べてみると、近くにSTも養成する柳川リハビリテーション学院がありました。
―それで学院へ進もうと一直線に考えたのですか。
武藤 いいえ、高校の先生には作業療法学科のある大学への進学を勧められました。迷いましたが、結局、自分自身は作業療法士よりも言語聴覚士に興味があり、専門学校の方が、資格取得という目的がより明確なので、大学の4年より専門学校の3年を選びました。学院では奨学金をもらっていました。
―リハビリに興味を持った理由は何ですか。
武藤 できるなら人の役に立てる仕事をしたいと医療系、福祉系と考えていき、それで興味を抱きました。
―この病院に入った理由は。
武藤 学院時代の実習先で、自分の中では、完全にはできないにしても、もう少しできることがあったのではと、考えていました。自宅からも近く、周りの人たちも温かい目で見てくださるというのも分かっていましたので、現在の病院に決めました。
武藤 菜美さん―ごきょうだいは。
武藤 2歳上の姉がいます。姉は社会人を経験した後、私が就いたリハビリの仕事に興味を持って関東の専門学校に進み、今は関東で視能訓練士として働いています。
―今、武藤さんのリハビリの対象者はどういう方たちですか。
武藤 脳卒中や神経難病の方などが主です。
―リハビリに取り組んでいてうれしかったことは何ですか。
武藤 摂食訓練を行った患者さんが三食、口から食べられるようになって「ありがとう。あなたが食べさせてくれなかったら、食べられなかったかもしれん」と言ってくださって。
 また、息が漏れたような小さな声しか出ない方と一緒にリハビリを重ねていて、「きょうが最後です」と伝えたとき、それまで聞いたことがない大きな声で「愛しとるよ」と言ってくださいました。退院された方から「こんなに元気になりました」とご連絡をいただくこともあります。どれもうれしいですね。コミュニケーションは大事だと思うし、それに関わる仕事ができてよかったと思います。
―一緒にリハビリに取り組む武藤さんの姿勢が患者さんに伝わっているのでしょうね。
武藤 コミュニケーションは一方的なものではなく、また言葉だけのものでもありません。握り合った手や、表情で「はい」「いいえ」を答えてもらうだけでも、お互いに気持ちがつながるというか、そう思える瞬間がありますので、そういう時は、本当によかったなと思いますし、うれしいですね。
―それまでの苦労も消えるのではありませんか。
武藤 そうですね。即座に答えが出る仕事ではないので、いろいろと考え、試し、これでよかったかなと結構迷いながらやっています。
検査もコミュニケーションをとりながら―なるほど。どんなSTを目指していますか。
武藤 高次脳機能障害だったら高次脳機能障害の患者さんだけというふうに専門的に、特化してやるのもいいとは思いますが、今はとにかく色々な患者さんと関わらせていただき、あらゆる状況に対応できるようなSTになりたいと思っています。絵カードなどを使ったリハビリもありますが、その前のフリートークの時間も患者さんにリラックスしてもらうために大事にし、患者さんがリハビリの時間をいやがらず、楽しみにしてくださるようになれば、と思っています。
―自分をさらに高めるために何をしますか。
武藤 とにかく目の前の患者さんのことを真剣に考え、その都度きちんと勉強して、リハビリに生かせたらと考えています。時間が許す限り勉強会にも参加したいですね。
―高校の同級生は希望通り就職できていますか。
武藤 入職して3、4年目のとき、久しぶりに集まって、仕事のことなどを話しました。給料はある程度高いが仕事にやりがいがないという同級生と、給料が安すぎるという同級生が結構多くて、言語聴覚士は国家資格で、ある程度給料ももらえ、やりがいもあって、うらやましいと言われました。高校のときの進路選択は間違っていなかったと思います。
―言語聴覚士を目指している後輩たちへのアドバイスがあれば。
武藤 就職先もまだ多く、女性でも長く続けられ、結婚後も働ける仕事です。やりがいのある仕事なので、出産後も皆さん、職場に復帰して来られます。リハビリの仕事に、特別な資質や能力が必要というわけではありません。学院時代に頑張って資格を取得することです。働き始めると、改めて勉強する気になって、きちんと対応できるようになります。
―学院は病院の近くにありますね。学びの場と臨床の場が近いことのメリットは何でしょうか。
武藤 臨床の場には、小児もいれば急性期や、回復期の患者さんもいるので、実習でいろいろなところが見学できます。学生時代から実際の現場を見ることができるのは大きいですね。自分はこんなところで働きたいという、いわば自分の将来像が明確にイメージできます。
戻る
福岡国際医療福祉学院
専門学校 柳川リハビリテーション学院